薬剤師の業務でかかりつけ薬剤師というものがあります。
かかりつけ薬剤師とは、24時間対応を行ったり、患者さんの自宅に訪問して処方を行う業務です。
必要に応じて休日なども出勤を行います。
具体的には、外出が難しい高齢者の患者さんの担当薬剤師といったイメージでしょうか。
残薬の確認や医師への連携など、患者さん一人ひとりと向き合っていくものなります。
この、かかりつけ薬剤師は薬剤師さんが離職する原因の一つになっています。
今回は、実際にあったケースをご紹介しつつ、かかりつけ薬剤師をやりたくない時の対処方法について書いていきます。
かかりつけ薬剤師とは?
かかりつけ薬剤師とは、患者さんが薬剤師を選び、署名つきの同意書を作成して担当の薬剤師として業務する指名システムのようなものです。
十分な経験等がある薬剤師が患者さんから同意を受けることにより、かかりつけ薬剤師としてのサポートが開始されます。
充分な経験等がある薬剤師とは?
・薬剤師として薬局での勤務経験が3年以上
・その薬局に週32時間以上勤め、かつ1年以上在籍している
・医療に関する地域活動に参画している
・薬剤師研修認定等を取得している
引用:https://www.nichiyaku.or.jp/kakaritsuke/about.html
患者さんは、かかりつけ薬剤師指導料、薬剤服用歴管理指導料という特別な料金を別途支払うことになります。
薬局の報酬としては、処方せんの受付1回につき最大で320円です。
後期高齢者が増える今後、国は病院中心に行われていた医療を自宅や介護施設などでも受けられるように整備を進めています。
かかりつけ薬剤師も今後、どんどん増えていくはずです。
普通の業務では起きないことも
かかりつけ薬剤師の業務では、一般の調剤薬局での勤務では起きないようなことが度々起こります。
かかりつけ薬剤師になり、精神的な負担を理由に辞めていく同僚も多いです。
ここでは、実際に合った2つのケースをご紹介していきます。
患者さんの死
かかりつけ薬剤師は、訪問介護に近いものがあります。
かかりつけ薬剤師は、外出が難しい高齢者の患者さんの身の回りの世話や世間話、業務を超えたお付き合いというのも少なくはありません。
ですので、患者さんの死というのも割と身近に起きることになります。
頻繁に顔を合わせていた患者さんの死というのは、なかなか精神的な負担になります。
訪問中に様態が急変するケースも稀ではありません。
こういった業務にやりがいを感じるといった薬剤師さんも立派ですが、実際はかなり辞めていく人も多いのが現実です。
患者さんの暴力
患者さんの死はそれほど頻繁に起こるものではないですが、患者さんの暴力や罵声といったものは割と日常的に起こります。
外出が難しい患者さんの病気によっては、処方箋の説明が困難であったり、泥棒と勘違いされ警察を呼ばれるといったケースもありました。
訪問介護の介護士さんによくあるような職務での悩みが、かかりつけ薬剤師にも割とあるわけです。
かかりつけ薬剤師の対処方法
会社の方針でかかりつけ薬剤師の仕事が回ってきたら、断ることはなかなか難しいです。
話し合いで断ることはできても、やはり居心地が悪くなるものです。
パートやアルバイトであればまだよいですが、正社員であれば断ることはもちろん、引き受けたら責任も生じます。
一般的な普通の調剤薬局での勤務を希望しているなら、転職するのが早いです。
転職サイトでは、地域に精通したコンサルタントから詳細な情報の提供を受けたり、自分がやりたい業務内容について相談も可能です。
かかりつけ薬剤師が嫌でやりたくないことは申し出れば大丈夫です。
かかりつけ薬剤師自体を行っていない薬局やドラッグストアも多いですから、ぜひ一度相談してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
かかりつけ薬剤師は今後ますます増えていくことは確実です。
患者さんから指名を受けたらなかなか断れないものでしょう。
かかりつけ薬剤師の制度自体は素晴らしいものですが、あなた自身が負担に感じたら転職を考えてみてもよいかもしれませんね。